お食い初めの節目にふさわしいお祝い金の準備は、
金封への包み方や書き方といった礼儀を心得ることから始まります。
2万円という金額には、
書式や水引の選定、
中袋の扱いといった細部にこだわる必要があり、
控えめながらも丁寧に整える姿勢が求められます。
形式に迷いがちなシーンだからこそ、
金封の美しさと気持ちの伝わり方には見えない配慮が宿ります。
ここでは、書き方のマナー、注意点に焦点を当て、
一つひとつの基本を丁寧に紐解いていきます。
ぜひ最後までご覧下さい。
お食い初めのお祝い金封筒に「2万円」をどう書く?旧字体と正しい記入例
お食い初め(おくいぞめ)は、生後100日頃に行う伝統的な祝い事で、
「一生食べ物に困らないように」という願いを込めて食事の真似をさせる儀式です。
この節目に贈るお祝い金は、心を込めた書き方・包み方が重要です。
特に2万円などの金額を包む場合には、
「水引の選び方」
「表書きの文字」
「金額の書き方」
などに注意を払い、
格式を守った形で贈りましょう。
表書きの正しい文言:「御祝」「御食初祝」など
表書きとは、のし袋の表面、中央上部に書く言葉のことです。
一般的な表書きの種類
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「御祝」:最も汎用的で、お食い初めだけでなく、出産祝いや初節句にも使える。
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「御食初祝(おくいぞめいわい)」:より儀式に特化した表現で、丁寧な印象。
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「初膳御祝(しょぜんおいわい)」:地域や家庭によって使われることがあるが、ややフォーマル。
書き方のマナー
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使用する筆記具:筆ペンや毛筆、濃い黒の筆記用具を使い、にじまず読みやすい字で。
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文字の配置:中央に大きくはっきりと記載。
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氏名の記載:表書きの下にフルネームをやや小さめに記載(贈り主が個人の場合)。
金額の正しい書き方(旧字体)弐萬円
お祝い金を記入する際は、通常の数字(2万円)や略字(弐万円)は避け、
旧字体の漢数字を使うのが正式です。
旧字体での金額表記
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**「金弐萬円」**と書くのが正解。
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「弐」=「2」の旧字体。
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「萬」=「万」の旧字体。
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他の例:
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「金壱萬円」=1万円
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「金参萬円」=3万円
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なぜ旧字体なのか?
旧字体は改ざんや書き換えを防ぐため、金銭のやり取りにおける正式な表現として広く使われます。ご祝儀袋や香典など、冠婚葬祭においては現在でもこの書き方が尊重されています。
中袋の記載例:金 弐萬円、住所・氏名の書き方
中袋(中包み)は、のし袋の内側にある白い封筒です。ここにも明確な記入ルールがあります。
中袋に記載する項目
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金額:表と同様に旧字体で「金弐萬円」と書きます。
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中央上部にやや大きめに。
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氏名:金額の下に、贈り主のフルネームを。
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家族や夫婦であれば連名可。
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住所:封筒の左下または裏面に記載。
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万が一、受け取った側が贈り主を忘れたり連絡先が必要なときのため。
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書き方の注意点
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筆記具は表書きと同じく黒インク。
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中袋が印刷済みで記入欄がある場合は、それに従う。
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縦書きが一般的だが、横書きでもマナー違反にはならない。
水引の種類は紅白蝶結びが基本
お食い初めのお祝い金を包む際の水引は、
紅白蝶結びが基本です。
紅白はお祝いの色として広く知られており、
蝶結びは「何度でも結び直せる」ことから、
「繰り返しあってもよい慶びごと」に用いられます。
お食い初めは赤ちゃんの生後100日前後に行う儀式で、
区切りとして家族や親族が集まり、
祝いの気持ちを形にする大切な場面です。
このような背景からも、紅白蝶結びは
お食い初めにふさわしい水引の種類と言えます。
結婚などの一度きりが望ましい慶事には
結び切りの水引を使いますが、
お食い初めのように
「今後も祝い事が続いていく」ことを願う場には
蝶結びが適しています。
また、水引の本数にもマナーがあります。
一般的には5本の紅白水引がよく使われますが、
少し格式を高めたい場合には7本を選ぶケースもあります。
本数が多いほど丁寧な印象を与えるため、
贈る相手との関係性や場面に応じて
選ぶことがポイントです。
のし袋を選ぶ際には、紅白の蝶結びが施されているものを基準とし、
中袋や表書きにも丁寧な記入を心がけましょう。
金額が2万円の場合には、旧字体で「金弐萬円」と書くのが正式な書き方とされ、
表書きには「御祝」や「御食初祝」といった言葉を選ぶと失礼がありません。
お食い初めは赤ちゃんと家族にとって、
かけがえのないひとときです。
贈り物に気持ちを込めるためにも、
水引の種類や書き方を意識することが大切です。
お食い初めのお祝い金2万円は相場として妥当?
お食い初めのお祝い金2万円は、
贈る相手や立場によっては妥当な相場といえます。
特に祖父母が夫婦そろって包む場合には、
2万円程度が自然で、よく選ばれる金額です。
赤ちゃんの百日祝いは、記念写真や食事の用意など
費用もかかる行事ですので、
実際の負担を考慮した金額としても無理がありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 祖父母(夫婦) | 2万円程度が相場として妥当 |
| 祖父母(一人) | 1万円前後が一般的 |
| 親戚・知人 | 5千円〜1万円が目安 |
| 高額と感じられる場合 | 関係性が遠い場合や食事代の負担がないときは注意 |
| 他の選択肢 | プレゼントと組み合わせて贈る方法もおすすめ |
| 大切な考慮点 | 相場だけでなく、気持ちや家庭の状況に合わせて決めることが大切 |
祖父母の場合:夫婦連名で2万円はよくある金額
祖父母からの祝い金は、
夫婦で2万円、個人なら1万円前後が一般的です。
家族としての距離が近く、
赤ちゃんの誕生を心から祝う立場としては、
これくらいの金額がよく選ばれています。
また、両親側にとっても、
ある程度まとまった金額をいただくことで、
記念の写真撮影や料亭での食事会などに使えるため、
実用的でもあります。
親戚・叔父叔母、知人の場合:1万円以下が多いが2万円もマナー違反ではない
親戚、友人、知人といった関係では、
2万円は少し高めに感じられることもあります。
このような場合は、
5千円〜1万円程度が適した範囲とされており、
気持ちを伝えるには十分です。
金額が少ないことで失礼にあたるわけではなく、
贈る側の無理のない範囲で、
丁寧な気遣いを示すことが大切とされています。
プレゼントと組み合わせるのもおすすめ
現金ではなく、
プレゼントやギフトを選ぶケースも増えています。
お祝い金がやや控えめな場合でも、
スタイ、食器セット、おむつケーキなどの品物と組み合わせることで、
気持ちの伝わる贈り物になります。
特に近年は、実用性のあるプレゼントを選ぶ傾向が強く、
ママ・パパにとっても喜ばれるケースが多いです。
金額の相場よりも気持ちが大切
お食い初めは赤ちゃんの成長を祝う大切な儀式です。
相場や平均金額にとらわれすぎるのではなく、
贈る側の立場や家庭の状況、
そして心を込めた選び方こそが何より大切です。
現金、品物、どちらであっても、
「お祝いしたい」という気持ちを素直に伝えることが、
相手にとって一番嬉しい贈り物になるでしょう。
お食い初めのお祝い金を渡すタイミング・マナー・声のかけ方
お食い初めのお祝い金を渡すタイミングは、
儀式が始まる前が最も自然で丁寧な方法です。
会の冒頭でご両親へさりげなく手渡すことで、
儀式や食事の進行を妨げず、落ち着いた雰囲気の中で
感謝や祝福の気持ちを伝えられます。
当日出席できない場合には、
前日までにご祝儀袋を用意し、
直接渡すか、丁寧に現金書留で送る方法が一般的です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 渡すタイミング | 当日の儀式前が最も自然。参加できない場合は事前に渡す |
| のし袋の種類 | 紅白蝶結びのご祝儀袋。「御祝」「御食初祝」などの表書きを記入 |
| 中袋の記入内容 | 旧字体で金額「金弐萬円」など。氏名・住所も明記 |
| 渡し方のマナー | 袱紗やハンカチに包んで丁寧に手渡し |
| 声のかけ方 | 短く心のこもった言葉を添える。「おめでとう」「祝福しています」など |
ご祝儀袋とのし袋のマナー
お祝い金は紅白蝶結びの水引がついたのし袋に包みます。
表書きには「御祝」や「御食初祝」などの言葉を使い、
濃い墨で中央に大きく記入します。
贈り主の名前は表書きの下にフルネームで記入し、
中袋には「金弐萬円」など旧字体で金額を記し、
氏名・住所も忘れず記入するのがマナーです。
包んだご祝儀袋は、直接バッグから出すのではなく、
袱紗に包んで持参することで、
より丁寧な印象を与えます。
袱紗がない場合には、
ハンカチなどで代用しても問題ありません。
声のかけ方と気配りのポイント
お祝い金を渡すときの声のかけ方にも、
ちょっとした心配りがあると喜ばれます。
「おめでとうございます」や
「すてきなお祝いになりますように」といった一言に、
赤ちゃんの名前をさりげなく添えることで、
個別性のあるあたたかいメッセージになります。
形式ばかりにとらわれず、
相手にとって負担に感じさせないトーンで話すことが大切です。
特に親戚や友人といった立場の場合は、
長々としたスピーチのような挨拶ではなく、
短くても思いのこもった言葉を意識しましょう。
遠方の場合:現金書留や事前の渡し方
遠方でお食い初めに参加できない場合、
お祝い金を現金書留で送るか、
事前に直接渡す方法が基本的なマナーです。
現金書留を利用する際は、
のし袋を用意し、表書きには「御祝」や「御食初祝」と記し、
中袋に「金弐萬円」などの旧字体で金額を記入します。
あわせてフルネーム・住所も忘れずに書き添えましょう。
ご祝儀袋は折り目のない新札を使い、
全体を袱紗やハンカチで丁寧に包んだ上で、
現金書留の専用封筒に収めて郵送します。
送るタイミングは、儀式の数日前に届くように調整すると安心です。
急ぎの場合は、早めに発送の手配をして、
届いたかどうかの確認も忘れずに行いましょう。
一方、出席はできないが会う機会があるという場合は、
事前に手渡す方法もおすすめです。
訪問の前には相手の都合を確認し、
無理のないタイミングで渡す配慮が大切です。
贈る際には「ご家族皆さんで素敵なひとときをお過ごしください」や
「赤ちゃんの百日をお祝いさせていただきます」といった、
心のこもったメッセージを添えると、より印象に残る贈り方になります。
形式だけでなく、気持ちが伝わることを意識することで、
遠方からでも温かいお祝いの気持ちを届けることができます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 基本の方法 | 現金書留で郵送、または事前に手渡し |
| のし袋の準備 | 紅白蝶結びのご祝儀袋を使用、旧字体で金額を記入 |
| 中袋の記入項目 | 金額・氏名・住所を丁寧に記載 |
| 郵送のタイミング | 数日前に届くように発送、受取確認も忘れずに |
| 手渡しの配慮 | 相手の予定を事前に確認し、負担をかけないようにする |
| 添える言葉 | 短くても思いを込めたメッセージを添えることで、心が伝わる贈り方になる |

