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鬼の5色の意味とは?子どもに伝わる“心の鬼”の教え方【保育士・親向け】

鬼の色の意味 子供向け ライフハック

節分の季節になると、子どもたちは「鬼ってなに?」「どうして色がちがうの?」と興味津々になります。

実は、赤鬼や青鬼などの色には、私たちの心の中にある“気持ち”が表されているんです。

この記事では、保育園・幼稚園の先生や保護者の方に向けて、鬼の5色(赤・青・黄・緑・黒)の意味を、子どもにもわかりやすく紹介します。

さらに、節分の豆まきでそのまま使える言葉がけや、感情を育てる遊びのアイデアも満載。

鬼の色の意味を通して、子どもが自分の気持ちを知り、やさしく成長できる節分をつくりましょう。

鬼の色の意味とは? — 子どもに伝えやすい“心の鬼”の考え方

節分で登場する「鬼」は、ただ怖い存在ではなく、私たちの心の中にある感情を映すキャラクターでもあります。

ここでは、子どもにも伝えやすい“心の鬼”という考え方と、5色の鬼が表す意味を紹介します。

鬼の色はどんな気持ちを表しているの?

鬼の色には、それぞれ人の心にある「気持ち」や「性格」が込められています。

節分で鬼を追い出すのは、心の中にあるイヤな気持ちを外に出して、すっきり新しい気分で春を迎えるためです。

つまり、鬼を怖がるよりも、「どんな鬼が自分の中にいるのかな?」と考えることが大切なのです。

鬼の色 心の意味 子ども向けの言い換え
怒り・欲ばり おこりんぼ鬼
悲しみ・不安 なきむし鬼
黄(白) なまけ心 なまけんぼう鬼
やきもち・疑い やきもち鬼
怖がり・迷い こわがり鬼

鬼の色は、心の中のさまざまな気持ちを見える形にしたものなのです。

5色の鬼の性格と意味(赤・青・黄・緑・黒)をやさしく紹介

赤鬼は「怒り」や「よくばり」の心を表します。

ついイライラしたり、もっとほしいと思うとき、この赤鬼が顔を出します。

「怒りんぼう鬼、出ていけ」と言って気持ちをリセットするのが節分の豆まきの意味です。

青鬼は「悲しみ」や「不安」の心を持つ鬼です。

泣きたいとき、さみしいとき、この青鬼がそっと現れます。

そんなときは、「もう大丈夫」とやさしく声をかけると心が軽くなります。

黄鬼(白鬼)は「なまけ心」を象徴します。

やる気が出ないときや、「あとでいいや」と思う気持ちは、この鬼のしわざかもしれません。

豆を投げて「元気スイッチ」を入れ直しましょう。

緑鬼は「やきもち」や「うたがい」の心の鬼です。

友だちをうらやましく思ったり、自信がなくなると現れます。

「自分のいいところを見つけよう」と伝えると、心が前向きになります。

黒鬼は「こわがり」や「迷い」の心を表します。

新しいことに挑戦するとき、黒鬼がドキドキして止めようとすることもあります。

でも、「一歩ずつ進もうね」と寄り添えば、この鬼もやさしくなっていきます。

5色の鬼は、子どもの感情を理解し、自分を見つめる手がかりになるのです。

鬼の色の由来 — 仏教や五行に見る心の表現

なぜ鬼には色があるのか、その背景には日本や仏教の考え方が関係しています。

ここでは、鬼の色の意味の由来をやさしく解説します。

仏教の「五蓋」と鬼の関係

仏教では、人の心をくもらせる5つの感情を「五蓋(ごがい)」と呼びます。

それは、怒り・欲・眠気・迷い・疑いの五つです。

鬼の5色は、この五蓋の考えをもとに作られたとも言われています。

鬼の色 五蓋の心 感情の意味
瞋蓋(しんがい) 怒りや攻撃の気持ち
憂蓋(ゆうがい) 悲しみや不安
惛沈睡眠(こんじんすいめん) 怠けや眠気
掉挙悪作(じょうこあくさ) やきもち・焦り
疑蓋(ぎがい) 疑いや迷い

心の乱れを見える形にしたのが“鬼の色”というわけです。

五行思想と節分行事のつながり

日本では古くから、自然を「木・火・土・金・水」の五つの要素で表す「五行(ごぎょう)」という考え方があります。

それぞれの要素は、色や季節、感情とも結びついています。

五行 対応する色 鬼の色との関係
青(緑) 成長・嫉妬の感情
情熱・怒り
安定・なまけ心
純粋さ・冷静さ
不安・迷い

節分は季節の変わり目に行う行事で、「悪いもの(鬼)」を外へ出して新しい年を迎えるという意味があります。

つまり、鬼を追い出すことは“心の調和を取り戻す儀式”なのです。

昔話や民話から伝わる鬼の色の意味

昔話に登場する鬼も、色によって性格がちがいます。

『桃太郎』の鬼ヶ島の鬼たちは、赤鬼が力持ちで短気、青鬼が冷静で少し臆病、というように描かれています。

物語を通じて、子どもたちは鬼の色を感情の象徴として自然に理解していったのです。

鬼の色は「人の心を映す鏡」として、長い歴史の中で受け継がれてきました。

子どもに鬼の色の意味を伝えるときの工夫

子どもに鬼の意味を伝えるときは、「難しい話」ではなく、「心の中のお話」として伝えるのがコツです。

ここでは、子どもの年齢や興味に合わせて、鬼の色をやさしく説明する方法を紹介します。

年齢別の伝え方とことば選びのポイント

小さな子どもには、むずかしい言葉を使わず、鬼を「気持ちのキャラクター」として説明するのがおすすめです。

たとえば、赤鬼は「おこりんぼう」、青鬼は「なきむし」、黄鬼は「なまけんぼう」と言い換えると、すぐに親しみがわきます。

年齢 伝え方のポイント おすすめの言葉がけ
3〜4歳 身近な気持ちにたとえる 「怒りんぼう鬼が出てきたかな?」
5〜6歳 自分の感情として考えさせる 「今日はどんな鬼がいた?」
小学生 心のコントロールとして理解させる 「鬼を追い出すって、気持ちを整えることなんだね」

子ども自身が“自分の中の鬼”に気づくきっかけをつくることが大切です。

絵本・工作・あそびで楽しく学ぶアイデア

鬼の色や気持ちを、絵本や工作を通して体験的に学ぶと、子どもの理解が深まります。

紙皿で鬼のお面を作る活動は人気です。作りながら「この鬼はどんな気持ちかな?」と話すと自然に感情の話題が生まれます。

活動内容 ねらい 具体的な工夫
紙皿でお面づくり 感情表現の練習 表情を自由に描く
色鬼あそび 色と感情をリンクさせる 「青鬼タッチ!」で感情を遊びに変換
紙芝居・絵本読み聞かせ 感情の共感を育てる 読後に「どんな鬼だった?」と話す

活動中は鬼=怖い存在ではなく、“気持ちの仲間”として描くと、子どもも安心して関われます。

保育で使える!感情理解を育てる活動例

保育園や幼稚園では、節分を「感情を学ぶ行事」として取り入れることができます。

たとえば、「自分の中の鬼を見つけよう」ワークでは、子どもたちがそれぞれの気持ちを色で表現します。

活動名 内容 学べること
「心の中の鬼」シート 今日の気持ちを色で塗る 自己理解・感情表現
「鬼と仲直りゲーム」 悪い鬼に優しい言葉をかける 共感・思いやり
「豆まきインタビュー」 投げる前に「どの鬼を追い出す?」と質問 気持ちの整理・発話力

鬼を通じて、子どもが自分の感情と上手につき合う練習をすることが、節分行事の本当の価値です。

節分の豆まきで使える色別の声かけと願いごと

節分の豆まきは、ただ鬼を退治するイベントではなく、子どもの気持ちに寄り添う絶好のチャンスです。

ここでは、色ごとに使える声かけ例や願いごとを紹介します。

赤・青の鬼に投げるときの声かけ例

赤鬼には「怒りんぼう鬼をやっつけよう!」という声かけがぴったりです。

豆を投げながら「イライラ気分、バイバイ」と言うと、楽しみながら気持ちを整理できます。

青鬼には「泣き虫の鬼を外に出そう!」とやさしく声をかけましょう。

投げる動作よりも、「もう大丈夫」「心が晴れますように」という思いをこめることがポイントです。

鬼の色 声かけ例 込める願い
赤鬼 「怒りんぼう鬼、外へ出ろ〜」 怒りや欲を手放す
青鬼 「泣き虫鬼、バイバイ」 不安を癒す・安心を取り戻す

黄・緑・黒の鬼に投げるときの声かけ例

黄鬼には「やる気スイッチオン!」、緑鬼には「やきもちバイバイ!」、黒鬼には「勇気の豆をえいっ!」と声をかけるのがおすすめです。

大切なのは、「悪い心を追い出す」よりも「新しい気持ちを迎える」という意識です。

鬼の色 声かけの例 メッセージの意味
黄鬼 「なまけ鬼、元気になあれ」 やる気を取り戻す
緑鬼 「やきもち鬼、ありがとう」 自分を大切にする
黒鬼 「こわがり鬼、がんばれ」 挑戦する勇気を持つ

子どもとの対話で心を整える豆まきの工夫

豆まきをする前に「自分の中の鬼を探そう」と話す時間をつくると、行事がより意味のあるものになります。

子どもに「今日はどの鬼を追い出したい?」と質問してみましょう。

終わったあとに「どんな気持ちになった?」と聞くことで、感情の切り替え方を自然に学ぶことができます。

タイミング 質問の例 ねらい
豆まき前 「どの鬼を外に出したい?」 自己理解
豆まき中 「鬼が出ていく音、聞こえたかな?」 想像力
豆まき後 「どんな気持ちになった?」 感情整理

豆まきは“心のリセット”をするための大切な時間です。

鬼の色の意味に関するQ&A

ここでは、保育や家庭でよく聞かれる「鬼の色の意味」に関する疑問を、やさしく解説します。

節分行事を深めるためのちょっとした豆知識としても役立ちます。

なぜ鬼は5色あるの?赤だけじゃないの?

昔の物語では、鬼といえば赤と青の2色が主流でした。

しかし、人の心にはもっといろいろな感情があると考えられるようになり、次第に5色へと広がりました。

現代では、赤・青・黄・緑・黒の“五色の鬼”として知られることが一般的です。

昔の鬼 現代の鬼 意味の広がり
赤・青 赤・青・黄・緑・黒 感情の多様さを表す

この変化は、鬼が「怖い存在」から「心の象徴」へと進化したことを示しています。

青鬼=悲しみって本当?色の意味の由来は?

青という色は、静けさや冷たさを感じさせる色です。

そのため、昔から「悲しみ」や「不安」を表す色として使われてきました。

青鬼が「泣き虫の鬼」とされるのは、色彩心理のイメージに基づく表現なのです。

心理的イメージ 鬼の性格
静けさ・冷たさ・落ち着き 悲しみ・不安の鬼
熱さ・情熱・怒り 怒り・欲の鬼

地域や行事によって色の意味が違うことはある?

はい、地域によって少しずつ異なる解釈が存在します。

たとえば、黄色を「嫉妬の鬼」とする地域や、白を「優しさの鬼」とする地域もあります。

大切なのは、「どの鬼も人の心の一部である」という考え方です。

地域 特徴的な鬼の意味 由来・背景
東北地方 黄色=嫉妬の鬼 人間関係の調和を重視
関西地方 白=やさしさの鬼 善悪のバランスを大切に

子どもが怖がったとき、どう伝え直せばいい?

子どもが鬼を怖がる場合は、「鬼は悪いもの」ではなく「心の中に住むキャラクター」だと伝えましょう。

「みんなの中にも、ちょっぴり怒りんぼ鬼がいるんだよ」と話すと安心します。

鬼を“心の仲間”として描くことで、恐怖を安心に変えられます。

子どもの反応 おすすめの対応 ねらい
怖がって泣く 「鬼は気持ちの中にいるよ」と伝える 安心感を与える
豆まきを嫌がる 「優しい鬼もいるよ」と言う 心の多面性を理解

まとめ — 鬼の色を通して「心の成長」を伝えよう

鬼の色には、私たちが日々感じている感情が映し出されています。

節分は、ただ豆をまく日ではなく、自分の心と向き合う日でもあるのです。

行事をきっかけに感情教育へつなげる

怒り・不安・迷いなど、どんな気持ちも悪いものではありません。

大切なのは、それをどう受け止めて、どう整えるかです。

節分を通して、子どもが「自分の気持ちを話せる」場をつくりましょう。

感情 対応する鬼 子どもへの声かけ
怒り 赤鬼 「怒ってもいいよ、でも落ち着こうね」
悲しみ 青鬼 「泣いてもいいんだよ」
迷い 黒鬼 「ゆっくり考えよう」

子どもの気持ちを受け止める“やさしい節分”に

豆を投げることよりも、気持ちを整理することを目的にすることで、節分はより意味のある行事になります。

「心の鬼」も「優しい鬼」も、どちらも子どもの一部です。

鬼を通して感情を理解し、成長していくことこそが本当の“鬼退治”なのです。

鬼の話を通じて、子どもが自分の心を知り、前向きに生きる力を育てていく。それが、“やさしい節分”のゴールです。